2012年2月19日 (日)

イギリス特殊部隊隊長が語る湾岸戦争「ブラヴォー・ツー・ゼロ」を読了、卒倒ものですな

湾岸戦争の実情を描いたノンフィクション「ブラヴォー・ツー・ゼロ -SAS兵士が語る湾岸戦争の壮絶な記録-」を購入。読み終わりました。

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著者のアンディ・マクナブさん(表紙の男性)は、イギリスのエリート特殊部隊「SAS」の隊長として湾岸戦争に参戦します。

|゚Д゚)) 凄い人物ですな

特殊部隊なので表立っては戦いません。「SAS」に命ぜられたのは、8名でイラクに潜入してスカッド・ミサイルの発射施設を破壊すること。

|д゚) ほほぅ

発射施設の位置や防衛の規模の詳細は不明。敵に察せられないようにパラシュート降下し、現地で索敵と情報収集を行いながら目標の破壊を計ります。

同書では作戦の立案の様子が語られますが、それを見る限りでは実現可能なミッション。被害なく遂行できるんじゃないかなという感じです。

|д´) が

予想外の些細なことから計画が破たん。イラク軍にその存在が察知され、執拗に追われることになります。

逃亡途中で仲間とはぐれ、アンディ・マクナブさんは囚われの身に。

|ω・`) この捕まってからが本書のメインなんです

空爆で家族を失ったイラクの人々や兵士の怒りは凄まじく、敵国兵士に対して容赦のない暴力が振るわれます。

また、少しでも情報を得るために尋問と拷問にかけられますが、読んでいる方が卒倒しそうな内容。

((((( ;゚Д゚))))) ガクガクブルブル

体験した者にしか語れない臨場感と緊迫感といいますか、暴力と心理的な駆け引きに関する描写が迫力満点。読む方も精神的なタフさが必要です。

また、戦争において相手の作戦や陣容といった情報を得ることがいかに重要か、自軍の作戦や陣容といった情報を守ることがいかに重要か(個人の命よりも情報が大事)なんてことがわかります。

ほんの些細なことから作戦が破たんし、ヒューマンエラーによってその収拾が不可能になる点など「ブラックホーク・ダウン」に通じる部分もありますね。

|゚Д゚)) 非常に脆いですな

背表紙にある「大ベストセラーを記録した戦争ノンフィクションの金字塔」という売り文句に間違いなしのヘビーな内容でした。

捕虜がどのような目に合うのか、情報を巡る肉体的・心理的な攻防など一読の価値あり。

評価は☆5。

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2012年1月29日 (日)

戦場はかくも不潔なのか! 一兵士の心情を描いた「ペリリュー・沖縄戦記」を読了

第二次世界大戦を一兵士の目で捉えたノンフィクション「ペリリュー・沖縄戦記」を購入。読了しました。

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著者のユージン・B・スレッジさんは、1923年に米国アラバマ州で誕生。1942年に志願して海兵隊に入り、1944年に初めて戦場へと送りこまれます。19歳ごろに志願して訓練を受け、21歳ごろに初めて戦争へ行ったんですね。

|ω・`) 志願兵ですか

同書では、海兵隊でどのような訓練を受け、それが精神的にどのような効果をもたらしたのか、実際の戦場でどのように役だったのかについても触れています。その生活は、映画『フルメタル・ジャケット』そのものといった感じ。

で、海兵隊の厳しい訓練や教官等のお墨付きを経て、「自分や海兵隊は無敵だ~」なんて意気込んで出発。が、上陸前の戦場を見た瞬間に感じたのが、

|゚Д゚)) 俺の命は捨て石だ! 俺は騙されたんだ!

見た瞬間に自分の死を予見させるほど凄い有様だったんですね。島への上陸命令が出るまでは船内で待機するのですが、その間の心理描写が、

|ω・`) 読んでいる方の胃が痛くなるほどの重苦しさなんです

本のタイトルにもあるように「ペリリュー島」と「沖縄」での戦争の話が中心になるのですが、戦闘行為の単なる描写ではなく、兵士の心情や戦場の空気感・臭いといったものも多分に描かれます。

特に、「ペリリュー島」はサンゴ地質で硬いため穴を掘ることが不可。食べかけの糧食や兵士の排泄物、戦死傷者の死体や部位を埋めるということができずにほったらかし。地面は水がお湯になるほどの温かさを持つため腐敗が凄い。

常に異臭や死臭が漂うなかでの食事や戦闘。大量発生した蝿の描写など、

|゚Д゚)) 食事中には読めませんわ

そんなこんなで、戦場がいかにして兵士の精神や肉体を冒していくのかなんてことがわかります。命や尊厳、精神さえも容赦なく踏みにじっていく様が、これでもかこれでもかとやってきます。

|ω・`) さて

「ペリリュー・沖縄戦記」が他のノンフィクションものと違うのは、戦争や戦闘ではなくて戦場を描いている点ですね。

訳版の出版にあたって、原書で重複している部分などを割愛したそうですが、それだけ訳版には力を入れています。言い回しや言葉の使い方など、日本人が読んでも非常に読みやすい。実際の戦場の写真や図解などもあり、予備知識がなくてもすんなりと頭に入ってきます。

|∀・) これはいい

評価は☆4。おススメです。

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2011年10月 4日 (火)

スティーヴン・キングさんの短編集「夜がはじまるとき」を購入、これは過去最高の

スティーヴン・キングさんの短編集「夜がはじまるとき」を購入しました。

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|゚Д゚)) 秋にはホラーを読みたくなるんです

収録作品は以下の6編。
 「N」 
 「魔性の猫」
 「ニューヨーク・タイムズを特別割引価格で」
 「聾唖者」
 「アヤーナ」
 「どんづまりの窮地」

スティーヴン・キングさんは好きな作家ですが、歳が歳(1947年生まれ)なので、物語の内容というか発想もパワーダウンしているんじゃないかなぁなんて心配を抱きつつ読み始めました。

|д゚) 歳とともに衰える作家も多いですからね

まず「N」。
ある医師のもとに患者が訪れて、自らが強迫概念を抱くようになった理由を語るのですがこれが怖い。超自然的な内容なのですが、「ハハハそんな馬鹿な」と笑い飛ばせないような内容。あまりの恐ろしさに腕一面に鳥肌が立ちました。

:(;゙゚'ω゚'): キングってこんなに怖かったっけ

久々に傑作だと思える作品。ユーモアなしのガチンコホラー。

次に面白かったのが「聾唖者」。
『耳が聞こえません!』、『乗せていただけませんか?』と書かれたプラカードをぶら下げたヒッチハイカーを乗せたドライバーの話。
このドライバーは、同乗者の耳が聞こえないことをいいことに自分の抱えている家庭内の悩みをベラベラと喋るのですが、そのぶっちゃけ具合が腹を抱えるほど笑えます。
ドライバーは後に教会の告解室で、神父にその際のやり取りと某事件について告白するのですが、それを聞いた時の神父の反応もニヤリとさせられます。建前と本音が最高にいいですね。読んだ後に、気分がものすごくスカッとします。

(´゚ c_,゚` ) 抱腹絶倒ですよ

次に面白かったのが「どんづまりの窮地」。
これは、土地問題で揉めていた隣人に呼び出された男の話。
先の読めない展開で、ハラハラドキドキのサスペンスホラー。食事中に読むのは厳禁ですが、著者の悪ふざけが満載というか、いろんな意味でピンチ。ある意味密室ものです。

|∀・) 発想の勝利ですな

全体を通して、捨て所なしの短編集でした。歳の衰えどころか、面白さに磨きがかかっていました。スティーヴン・キングさんの短編集の中では最高傑作と感じましたね。評価は☆5。迷わず他人に薦めたくなる短編集でした。

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2011年9月 4日 (日)

「ほんとにあった怖い話 夏の特別編2011」の感想といわくつき物件など

テレビ番組「ほんとにあった怖い話 夏の特別編2011」がやっていたので見ました。一般から投稿された心霊体験を、再現ドラマの形で紹介するという番組です。

|゚Д゚)) 恐怖のズンドコに陥れてくれるのかしらん

進行役は稲垣吾郎さんと子どもたち。明るい雰囲気が漂っていますね。オープニングで賽ノ河原や地蔵、風車など情感たっぷりな映像を流す「あなたの知らない世界」とはえらい違い。

また、「ほんとにあった怖い話」は、「あなたの知らない世界」に比べると、ドロドロとした感じが抑えられている気がしました。怖いというよりも、不可思議だったり、寂しさだったりというものが残るような話が中心でアッサリ系。

再現ドラマの登場人物に旬なタレントを起用している点も意外でしたね。「あなたの知らない世界」だと、

( ゚Д゚)σ あんた誰や?

と聞きたくなる無名役者が、「ここが天王山!」とばかりに全力で怪演。その必死さが独特の雰囲気と迫力を醸し出していました。そして、知らない人が演じているので、見ていて登場人物に感情移入しやすいというか没入感が高かったような気がします。

「ほんとにあった怖い話」は著名な人が演技をしているので、「ああこれはドラマなんだな~」と、ちょっと距離を置いた感じで見ることができました。有名な人を起用している影響からか、幽霊役も結構美形揃い。

~(´∀`~) 遊ぼう 遊ぼう

と女の子の霊が車いすに乗って迫ってくるシーンがありましたが、こんなにかわいらしい幽霊なら、

ヽ(゚∀゚)ノ お兄さんもあそ棒ω持ってるよ

的な対応をする人がいるかもという考えが頭をよぎる始末。そういえば、男性器は魔を祓うという信仰がありますが、生命力の源としての魔除けなのか、幽霊相手にモロリンちょして呆れられた人でもいたんでしょうかね。

ちょっと話が変わって、福澤徹三さんの実話系怪談本「いわくつき日本怪奇物件」を購入しました。こちらは、人から聞いた怪奇体験をまとめた本になります。

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|∀・) 住所とか建物名とか暴露しまくりかしらん

と期待したのですが、全然そんなことはなく、場所に関係した怪奇体験を集めただけ。福澤徹三さんによると、本のタイトルは「いわくつき」で、「日本怪奇物件」はあくまでも副題。しかもこの副題は大人の事情でついたものだから御寛恕くださいとのこと。

( ゚Д゚)σ どう考えても、副題って大きさじゃねぇだろ!

と激しく突っ込み。一時期、いわくつき物件が話題になりましたからその影響なんでしょうが、期待していたものとかなり違う内容で、ちょっと残念。どうせだったら、いわくつき物件(心理的瑕疵物件)を借りた人の体験談や、実際に借りて一定期間住んでみるとか、そういった内容があればなぁと感じました。

評価は☆2。「日本怪奇物件」という部分にこだわらなければ、それなりに楽しめるかな。前書きで触れられているように、突貫作業で出版された本という感はぬぐえずで残念。

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2011年6月 5日 (日)

歴史小説の大御所が衝突する「日本史探訪」を読了、森蘭丸はガチムチなど意外な話も

角川書店から出ている書籍「日本史探訪」の9巻『戦国の武将たち』と10巻『信長と秀吉をめぐる人々』を購入しました。

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戦国武将や著名な戦について、識者が対談または独り語りの形式で自分の考えを述べます。ラインナップを見ると、

『9巻 戦国の武将たち』
 北条早雲 海音寺潮五郎/杉山博
 斎藤道三 司馬遼太郎
 毛利元就 野村尚吾/戸川幸夫
 山中鹿之介 海音寺潮五郎
 武田信玄 新田次郎
 謙信と信玄 海音寺潮五郎/新田次郎
 武田勝頼 新田次郎
 松永弾正久秀 南條範夫/桑田忠親
 蒲生氏郷 海音寺潮五郎
 一向一揆 笠原一男/杉本苑子

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『10巻 信長と秀吉をめぐる人々』
 織田信長 司馬遼太郎/海音寺潮五郎
 足利義昭 永井路子/山崎正和
 細川幽斎 松本清張
 長篠合戦 南條範夫/新田次郎
 明智光秀 辻邦夫/桑田忠親
 本能寺の変 松本清張/宝月圭吾
 信長と秀吉 石原慎太郎/太田薫/山岡荘八
 豊臣秀吉 海音寺潮五郎/松本清張
 前田利家 池波正太郎
 千 利休 唐木順三
 お市の方と淀君 永井路子/杉本苑子

|∀・) 著名人が多いじゃないですか

海音寺潮五郎さん、司馬遼太郎さん、山岡荘八さん、新田次郎さん、松本清張さんなど顔ぶれが豪華です。

さて、室町時代から安土桃山時代について、各武将に関する歴史小説などが沢山出ているため、当時の様相がいかにも明らかになっているような印象がありますが、正確な文献や史料というものは実は少ないんですね。

個人の日記や覚書、手紙や書状などの断片を組み合わせて、当時の行動はこうだったのではないかなど推測している状況というか。史料の数も少なければ、書き手による記憶違いや読み手による解釈の違い、時の政権による改竄など信憑性も疑わしい。あとから発見された史料によって通説が覆るなんていうことも珍しくはありません。

これが正しいという公式な史料というものが無いため、どの史料を採択するかによって見解ががらりと変わるわけですね。人それぞれの解釈があり、それぞれの戦国時代があるというか。識者や歴史小説家にとってみてもそれは同じで、事象や人物像に対して見解の相違というものがかなりあります。

|゚Д゚)) で、そんな人たちが対談するわけですよ

意気投合した場合は和やかに進むのですが、見解の相違があった場合はお互いに譲らない。これが読んでいると結構面白いです。川中島の合戦で謙信と信玄のどちらが勝利したと言えるのかなど。

また、対談以外のものに関しても、当時に忠節という概念がいかに薄かったのか(信玄、謙信、信長逝去後の家臣団の分裂)、嫁に差し出す姫は人質というよりも外交官としての役目を担っていて優秀な姫は外部にそうでない姫は家臣に嫁いだ、茶器に対する異常なまでの執着心がうかがえるエピソード(あの武将があの茶器に口をつけている姿を想像しただけで許せん)、信長と秀吉の手形など、

∑(゚∀゚ノ)ノ

と驚いてしまうものが沢山ありました。昭和50年代の書籍なので、書籍内で述べられている説が覆されていたりする可能性もありますが、歴史小説や戦国時代に興味のある人であればかなり楽しめると感じました。

評価は☆4。

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2011年2月11日 (金)

「あなたの知らない世界」の書籍版を購入、内容が意外にも

「あなたの知らない世界」の書籍版が売っていたので購入しました。

|ω・`) 本が出ていたとは…

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「あなたの知らない世界」は、1970年代~90年代にかけて日本テレビ系列で放映されていたテレビ番組です。投稿された心霊体験を、再現ドラマの形で紹介するという番組でしたが、その再現ドラマがやたらと力が入っているというか見せ方がうまいというか、トラウマレベルの恐ろしさ。放送時間が真昼間にもかかわらず、怖くて画面を直視できないという事もしばしば。当時小学生だった私は、

((((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブル

と震えながら見ていました。まぁ、全国のお茶の間を戦慄させたといっても過言じゃない番組だったと思います。

|゚Д゚)) さて

書籍版ですが、その再現ドラマの内容が収録されているのかと思いきや、ちょっと違いました。同番組の司会を務めた新倉イワオさんの体験記というかエッセイに近い内容になっています。

一般人や有名人が体験した怪奇話も収録されていますが、新倉イワオさんが現地取材した際のエピソード、TVスタッフや自らの怪奇体験、霊能力者とのやり取り、超能力や霊能力に対する考察など、内容が多岐にわたっています。怪談話を集めただけのものとは違うんですね。

|゚Д゚)) これは意外ですな

心霊手術で金銭トラブルが発生した話、念じて味覚が変わるかどうか、生放送中にドンピシャのタイミングで降霊が成功するのはなぜか、占いに対する見解など、

|∀・) なかなか面白いじゃないですか

書籍版は全20巻だそうですが、全巻読んでみたいなと思わせる内容でした(今回購入したのは6巻と7巻)。ただ、

|ω・`) 中古で探してもあるかどうかわからない

のがネック。データ販売の形でもいいので復刊して欲しいですね。

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2011年1月30日 (日)

アメリカ海兵隊が語る沖縄戦「沖縄シュガーローフの戦い」を読了

光人社NF文庫の「沖縄シュガーローフの戦い-米海兵隊 地獄の7日間-」を購入しました。

シュガーローフヒル(日本名は52高地)の戦闘に参加した米海兵隊員約100人に対するインタビューと史料を基に、どのような戦闘が行われたのかを綴ったノンフィクションになります。

|゚Д゚)) 米軍兵士から見た沖縄戦の一部というわけですね

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沖縄戦といえば、艦砲射撃と米軍の物量に押され、手も足も出ずにひたすら撤退というイメージを持っていたのですが、同書を読むと全く異なっていて驚きました。

|゚Д゚)) …

シュガーローフヒルの戦闘に参加した米海兵隊員の口から出るのは、日本軍の陣立てと戦略の巧緻さ、日本軍兵士の身体能力(射撃術、砲撃術、対戦車術)と士気の高さ。艦砲射撃にも揺るがない陣、姿を見せずに致命傷を与える狙撃、精度の高い砲撃など、日本人が語れば自画自賛に聴こえる内容も、敵兵士が語ると信憑性が増します。

|゚Д゚)) …

シュガーローフヒルで戦闘が行われたのは1945年5月12日~18日の1週間。この間に米軍は11回以上押し寄せ、2000名以上の戦死傷者、1000名以上の精神疾患者を出した末に占領します。

負傷者といっても瀕死レベルのものが多く、遺体に至っては回収する余裕もなく打ち捨てた状態。攻撃を仕掛けた部隊は壊滅し、運が良ければ瀕死の状態で数人が戻れるかどうかといった状況の繰り返し。海兵隊員の語る戦闘の壮絶さに圧倒されます。

|゚Д゚)) シュガーローフヒルって要塞なのか?

と思ってみると、高さ15mしかない小さな丘でさらに驚き。当時の写真と現在の写真を見てさらに驚き。

この丘でどんな戦闘が繰り広げられたのか、各兵士が語る戦場の描写(臨場感)が凄まじい上に、米軍と日本軍の戦略などが非常に理解しやすく書かれています。「沖縄シュガーローフの戦い-米海兵隊 地獄の7日間-」は、構成、執筆者、翻訳者のセンスが光っています。

評価は☆5。戦闘に参加した兵士(帰還兵)の精神崩壊、戦場で発見された日本軍兵士の日記(米軍が回収したものを翻訳したもの)など考えさせられるものが多い点もプラス。

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2011年1月 5日 (水)

佐藤優さんの「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」を読了

佐藤優さんの「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」を購入しました。佐藤さんは外務省で外交官として勤務していた人物ですが、2002年に鈴木宗男氏(北方領土問題)に関連する形で背任容疑で逮捕。512日間拘留されたのちに有罪判決を受けて失職しました。

|ω・`) なんだ、前科者か…

という感じですが、佐藤さん自身は、何もやましいことはしていない。北方四島返還に向けて必要なことだった。政治的意図で罪をかぶせる「国策捜査」の犠牲者だ。と主張しているわけですね。で、その主張と、逮捕から有罪判決を受けるまでの流れを書いたのが「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」になります。

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北方領土に関しては、「北方領土は、日本固有の領土です」というCMが一昔前はバンバン流れていましたが、最近はさっぱりですね。第二次世界大戦後のソ連侵攻と、現在のロシアの不法滞在について、知っている若者は少ないんじゃないかなという印象。そのうち北方領土って何? とか言いだす時代が来るのかもしれませんね。

まぁ、自分にしても鈴木宗男氏が2002年に辻本清美さんとやり合った時には、北方領土問題というよりも、「あなたは疑惑の総合商社」とか「ムネオハウス」とか、ディーゼル発電ショボイなぐらいの印象しか残っていないのですが…。ワイドショーにまんまと乗せられたというか、作中にある「日本の識字率は5%だ」という言葉が胸に突き刺さります。

|゚Д゚)) さて、

「国家の罠」を読むと、外務省と鈴木宗男氏の当時の動き、日本とソ連がどのような駆け引きを行っていたのか、ソ連の組織の仕組みなどがわかり非常に興味深い。北方領土に関する外交がどのように進みどのように頓挫してきたのか、田中眞紀子さんと鈴木宗男氏の確執など、

|゚Д゚)) ほほぅ、ほほぅ

という感じで引き込まれます。ただ、全体的に面白いのですが、気になるのが後半部分。佐藤さんに対して不利な証言をした人間が、いかに自己保身に走ったかなど、検察の人の発言という形を取りながらこきおろします。また、佐藤さんを切り捨てた外務省に対する恨み節、自画礼讃と思える表現など、

|ω・`) 気持ちはわかるけど…

自分で言っちゃうのはどうかしらん? という部分が多くなってくるのは正直いかがなものでしょうか。まぁ、起訴されて有罪判決を受けた人物が自分が起訴された事件について書いた本なので、自分は正しいんだ、自分の側に立った人間はすべて素晴らしい人物なんだというスタンスなのは仕方ないんですけどね。第三者によるノンフィクションの形を取った方が良かったのかもしれません。

前半部分は☆4。後半部分は☆2。

なお、「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」は、「憂国のラスプーチン」というタイトルでマンガ化されています(現在も連載中)。マンガ版の方は、検察による取り調べ(書籍版でいうところの後半部分)から話が始まっていますが、今後北方領土問題をどう絡めてくるのか楽しみですね。国にはめられたという内容のうえ、鈴木宗男氏が年末に収監されたので連載が終わる可能性もありますが、とりあえず期待。

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2010年12月11日 (土)

超お高い「ダ・ヴィンチ・コード ヴィジュアル愛蔵版」を購入

ダン・ブラウンさんの小説「ダ・ヴィンチ・コード ヴィジュアル愛蔵版」を購入しました。通常版と異なり、パリの建築物や小説に関連する美術品の写真、図版など140点がカラーで追加収録されています。

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カバーを取ると最後の晩餐。見えない部分も凝っています。

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収録されている写真や図版のサイズは結構大きくて、1ページの半分以上を1つの写真や図版が占めることもしばしば。結構迫力があります。

|゚Д゚)) そしてものすごく綺麗なんです

単なるおまけではなく、かなり力を入れて収録していることがうかがえますね。絵画に秘められた謎を理解しやすいだけでなく、パリを観光している気分も味わえます。宗教画やレオナルド・ダ・ヴィンチによるスケッチなども興味深いです。

|∀・) これはいいじゃないですか

ちなみに「ヴィジュアル愛蔵版」の価格は、4500円(税別)。

(  Д ) ゚ ゚

まさに目玉が飛び出るといった価格。ただし、価格に見合った満足感を得られると思います。自分は、「ダ・ヴィンチ・コード」の文庫版を以前にもらっていてすでに読み終えた状態だったのですが、それでも「ヴィジュアル愛蔵版」の内容に満足しました。

評価は☆4。古本で安く手に入れられるのであれば☆5。

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2010年11月 3日 (水)

SF短編集「マイノリティ・リポート」を読了

フィリップ・K・ディックさんの短編集「マイノリティ・リポート」を読みました。ディックさんは「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」でも知られている著名なSF作家ですね。

|∀・) これは期待感が高まりますな

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短編集の「マイノリティ・リポート」に収録されているのは次の7編。

 マイノリティ・リポート(映画化)
 ジェイムズ・P・クロウ
 世界をわが手に
 水蜘蛛計画
 安定社会
 火星潜入
 追憶売ります(トータル・リコールとして映画化)

映画化されていると言っても、小説と映画版ではかなり内容が異なるので、映画を見たという人でも楽しめると思います。以下、心に残ったものの評価。

【マイノリティ・リポート】★★★
3人の予知能力者が、未来に起こるであろう犯罪を予知。事前に犯罪者を拘束することで、犯罪を未然に防ぐという社会のお話。
そもそも、起きるはずの犯罪を防ぐと予定された運命が変わり未来が変わるんじゃ…とか、起きるはずの犯罪が予知によって未然に防がれるという一連の結末までが本来の運命なのかとか、ニワトリが先か卵が先かみたいな感じ。

【ジェイムズ・P・クロウ】★★★
ロボットが世界を支配し、人間の地位が失墜(ほぼ奴隷化)した未来世界の話。頭脳で勝てない分は、ずる賢さでカバーという人間のたくましさというかあくどさにニヤリ。

【水蜘蛛計画】★★★★
未来人が、予知能力者を求めて現代(1954年の世界)にやってくる話。予知能力者が多数存在した時代とか言われてもピンとこないのですが、ある時点でなるほどそういうことかと納得すること間違いなし。星新一さんのショートショートに近いです。

短編集に収録されているのは、1950年~60年代に発表された作品。50年近く前に書かれた話ということを考えると、この作家スゲーとなりますが、書かれた年代を考慮しないと、面白いけど佳作だよねで終わってしまうかな。全体としての評価は★3。

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