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2012年1月29日 (日)

戦場はかくも不潔なのか! 一兵士の心情を描いた「ペリリュー・沖縄戦記」を読了

第二次世界大戦を一兵士の目で捉えたノンフィクション「ペリリュー・沖縄戦記」を購入。読了しました。

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著者のユージン・B・スレッジさんは、1923年に米国アラバマ州で誕生。1942年に志願して海兵隊に入り、1944年に初めて戦場へと送りこまれます。19歳ごろに志願して訓練を受け、21歳ごろに初めて戦争へ行ったんですね。

|ω・`) 志願兵ですか

同書では、海兵隊でどのような訓練を受け、それが精神的にどのような効果をもたらしたのか、実際の戦場でどのように役だったのかについても触れています。その生活は、映画『フルメタル・ジャケット』そのものといった感じ。

で、海兵隊の厳しい訓練や教官等のお墨付きを経て、「自分や海兵隊は無敵だ~」なんて意気込んで出発。が、上陸前の戦場を見た瞬間に感じたのが、

|゚Д゚)) 俺の命は捨て石だ! 俺は騙されたんだ!

見た瞬間に自分の死を予見させるほど凄い有様だったんですね。島への上陸命令が出るまでは船内で待機するのですが、その間の心理描写が、

|ω・`) 読んでいる方の胃が痛くなるほどの重苦しさなんです

本のタイトルにもあるように「ペリリュー島」と「沖縄」での戦争の話が中心になるのですが、戦闘行為の単なる描写ではなく、兵士の心情や戦場の空気感・臭いといったものも多分に描かれます。

特に、「ペリリュー島」はサンゴ地質で硬いため穴を掘ることが不可。食べかけの糧食や兵士の排泄物、戦死傷者の死体や部位を埋めるということができずにほったらかし。地面は水がお湯になるほどの温かさを持つため腐敗が凄い。

常に異臭や死臭が漂うなかでの食事や戦闘。大量発生した蝿の描写など、

|゚Д゚)) 食事中には読めませんわ

そんなこんなで、戦場がいかにして兵士の精神や肉体を冒していくのかなんてことがわかります。命や尊厳、精神さえも容赦なく踏みにじっていく様が、これでもかこれでもかとやってきます。

|ω・`) さて

「ペリリュー・沖縄戦記」が他のノンフィクションものと違うのは、戦争や戦闘ではなくて戦場を描いている点ですね。

訳版の出版にあたって、原書で重複している部分などを割愛したそうですが、それだけ訳版には力を入れています。言い回しや言葉の使い方など、日本人が読んでも非常に読みやすい。実際の戦場の写真や図解などもあり、予備知識がなくてもすんなりと頭に入ってきます。

|∀・) これはいい

評価は☆4。おススメです。

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