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2011年6月の4件の記事

2011年6月17日 (金)

鬼気迫る日本兵の銅像がお出迎え/遊就館(その2)

靖国神社の敷地内にある遊就館で、目的の零式艦上戦闘機を鑑賞。時間があったので有料エリアも見学することにしました。

|゚Д゚)) 大人800円ですか…

玄関ホールの脇にある自動券売機で入場チケットを購入しゲートを通過。ゲートの先にあるエスカレーターに乗って2階に移動しました。2階を見て1階を見るという形になっているようです。2階に行ったところで日本兵の銅像がお出迎え。

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|゚Д゚)) 躍動感がありますな

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近寄ってみると表面は力強いというか荒々しい造形。制作者の鬼気が迫ってくる感じですね。

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肉体の部分が荒々しい一方で、兵装の部分はものすごく滑らか。静と動が同居しています。

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正面からのアングルでも撮影を試みたのですが、

∑(゚Д゚) 表情怖すぎ!

だったので撮影をやめました。目つきといいそこにあったのは狂気の表情でした。この像がどのような人によってどのような経緯で制作されたのかが気になります。

※調べたところ制作したのは著名な彫刻家である中村晋也さんのようです。中村晋也さんの美術館(http://www.ne.jp/asahi/musee/nakamura/index.html)があるそうなので行きたいのですが鹿児島…ちょっとどころじゃなく遠い。

|д゚) さて

この日本兵の銅像を過ぎると、本格的な展示エリアに突入することになります。基本的に撮影禁止。撮影禁止といわれなくても、撮影するのがためらわれるものばかりなんですけどね。例えば、小早川秀秋の甲冑。

ヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ

関ヶ原の戦いで裏切り、その後狂死したと言われる武将の甲冑…。そのほかにも、爆風で曲がった軍刀。血染めの日章旗。切腹した刀と遺言書などなど。

|ω・`) とてもカメラを向ける気がしません

当時の新聞やトラトラトラの電文など貴重な史料も沢山ありましたが、撮影禁止なので我慢しました。敵艦に突撃することのみを目的としたロケット特攻機「桜花」、魚雷に人間が乗りこんで必中を図る人間魚雷「回天」。この2つはこっそりと撮影したのですが、掲載は自粛。以前屋外に展示されていたという97式中戦車をアップ。

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11_0615_yusyu31_sensya02↑97式中戦車

サイパン島で埋没していたものを発掘し引き揚げたものだそうです。

施設全体としては、戦争を美化するわけでも非難するわけでもなく、実物や遺物がそこにある。受け取り方は人それぞれにゆだねられている。そんな印象を受けました。

右も左も関係なく、先人の思想や民族が歩んできた歴史を体感するという意味で、多くの人に訪れて欲しい施設だと感じました。トラウマになりそうな展示が多いですけどね。NHKのドキュメンタリー番組『映像の世紀』のDVDにも興味が沸いてきました。

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2011年6月16日 (木)

零式艦上戦闘機(通称:ゼロ戦)は思った以上に小ぶり/遊就館(その1)

零式艦上戦闘機(通称:ゼロ戦)を観るために、靖国神社の敷地内にある遊就館(http://www.yasukuni.jp/~yusyukan/)に行ってきました。吉村昭さんのノンフィクション「零式戦闘機」を読んで以来、

|゚Д゚)) ずっと実物を目にしたいと思っていました

11_0615_yusyu01↑遊就館

さて、遊就館は、簡単に説明すると戦争に関する展示施設です。大別すると玄関ホール、1階、2階の3つのエリアに別けられます。

11_0615_yusyu02↑正面入り口

玄関ホールは無料エリアで、零式艦上戦闘機などを展示しているほか食堂や土産物屋があります。くつろぎのスペースといった感じですね。

1階と2階は有料エリアで、2階(古代、安土桃山時代、明治維新、西南戦争、日清戦争、日露戦争、満州事変、支那事変)、1階(大東亜戦争)といったように時代別に、甲冑や武具、書簡、日記などを展示しています。映像や映画を流すホールも備えています。

展示数が非常に多く、軽く見ながら進むという見方をしても見学には大体2時間ぐらいはかかります。

|゚Д゚)) 映像ホールで映像を見るとさらに1時間ぐらい追加

玄関ホールに入ってすぐのところで零式艦上戦闘機がお出迎え。

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11_0615_yusyu04_reisiki02↑三菱零式艦上戦闘機52型(A6M5)

初期の零式艦上戦闘機21型に比べて主翼が短く、全幅が11mになっています。航続距離よりも速度を重視したモデルなんでしょうかね。

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展示されているものは、実際に戦闘に参加したものになります。

|ω・`) といっても複数の機体の組み合わせなんですけどね

主翼胴体は1974年にラバウルの旧日本海軍航空基地で見つかったものを使用。これにミクロネシア、ヤップ島で発見された5機の零式艦上戦闘機の部品を組み合わせて復元しています。

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|∀・) 思ったよりも小ぶりですな

第一印象は、想像していたよりも小さいなというもの。命をすべて預けるということを考えると不安になるサイズというかなんというか。

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次の印象が、

|д゚) なんというか美しいじゃないですか

後姿が生物に近いというか、ものすごく自然に見えるというか。電車や自動車もそうですが、突き詰めていけば生物の形に近くなるものなのかもしれません。

11_0615_yusyu10_reisiki08↑21型に搭載されていた99式20ミリ機銃

このほかの展示物は下記の通り。

11_0615_yusyu11_ryudan01↑96式15センチ榴弾(りゅうだん)砲

1時間あたり45発を発射可能。砲身は352.3cm。弾を直接命中させるよりも爆発による広範囲攻撃を目的とした砲。

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沖縄防衛線で使用された榴弾砲。中隊が全滅した後、米軍に回収され沖縄の在郷軍人クラブに展示されていたそうですが、1966年に靖国神社に奉納されました。

11_0615_yusyu13_canon01↑89式15センチ加農(カノン)砲

戦後になって洞窟陣地から発掘された砲。日本に現存する唯一の15センチ加農砲だとか。発射速度は1分あたり1~2発。命中率が高いのが特徴。

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砲身には弾痕が数多く残っています。

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|゚Д゚)) 全部実物ですか…

意外だったのですが、遊就館に展示されているものは複製品ではなく実物ばかり。海外の戦地から引き揚げてきたものや遺族から提供されたものなどなんですね。

玄関ホールは穏やかな雰囲気ですが、2階と1階と進むにつれて、

|ω・`) ………

だんだんと口数が少なくなってくるというか、大東亜戦争エリアに至っては驚愕というか精神的に叩きのめされる展示内容になっていました。胸を打たれるというか、個々の人生や生き様、死に様などが奔流のごとく押し寄せてきます。機会があったらブログで触れてみたいですが、とりあえず今回は玄関ホールのみをピックアップしました。

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2011年6月 8日 (水)

レトルトで専門店を越えられるか? 「小野員裕の鳥肌の立つカレー  キーマカレー」を食べました

レトルト食品の「小野員裕の鳥肌の立つカレー ・キーマカレー」を食べました。

カレー研究家の小野員裕さんがプロデュースしたもので、売り文句は、「カレー専門店の味を越えるレトルトカレーが可能であることを証明したかった」。

|゚Д゚)) 意気込みが凄いじゃないですか

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辛さ表示は5段階のうちの5。辛口ですね。鳥肌が立つのは辛さではなく美味しさということなので期待感が膨らみます。

|∀・) ナンではなく白飯でいただきましょうか

まずはルーの部分を一口。

|ω・`) ハモハモ

|゚Д゚)) 塩っぺぇ!

香辛料の辛さではなく、塩の辛さが目立ちました。カレーというよりも鳥のひき肉を塩ゆでしたものを食べている感覚。で、塩っけに水分を取られたのか、ひき肉がパサパサ。

|ω・`) パサパサなんです

噛めば噛むほど味が沁み出るという感じではなくて、味がひき肉の内部から抜けてしまっている印象。

(´・ω・`) なんだろう

インドの人がやっているお店(複数店舗)で本格的なキーマカレーを食べることが結構ありますが、そういったお店のキーマカレーは、香辛料と肉の奥深い融合というものが感じられて単体でも十分美味しいんですね。肉にも十分に香辛料と味が染み込んでいるというか。

今回食べた「小野員裕の鳥肌の立つカレー ・キーマカレー」は、スープ中の塩分が肉からすべてを奪い去ってしまったという印象。

まぁ、カレーの好みは人それぞれなので塩っ辛さのあるカレーが好きな人にはいいかも。自分にはちょっと会わない路線でした。

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2011年6月 5日 (日)

歴史小説の大御所が衝突する「日本史探訪」を読了、森蘭丸はガチムチなど意外な話も

角川書店から出ている書籍「日本史探訪」の9巻『戦国の武将たち』と10巻『信長と秀吉をめぐる人々』を購入しました。

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戦国武将や著名な戦について、識者が対談または独り語りの形式で自分の考えを述べます。ラインナップを見ると、

『9巻 戦国の武将たち』
 北条早雲 海音寺潮五郎/杉山博
 斎藤道三 司馬遼太郎
 毛利元就 野村尚吾/戸川幸夫
 山中鹿之介 海音寺潮五郎
 武田信玄 新田次郎
 謙信と信玄 海音寺潮五郎/新田次郎
 武田勝頼 新田次郎
 松永弾正久秀 南條範夫/桑田忠親
 蒲生氏郷 海音寺潮五郎
 一向一揆 笠原一男/杉本苑子

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『10巻 信長と秀吉をめぐる人々』
 織田信長 司馬遼太郎/海音寺潮五郎
 足利義昭 永井路子/山崎正和
 細川幽斎 松本清張
 長篠合戦 南條範夫/新田次郎
 明智光秀 辻邦夫/桑田忠親
 本能寺の変 松本清張/宝月圭吾
 信長と秀吉 石原慎太郎/太田薫/山岡荘八
 豊臣秀吉 海音寺潮五郎/松本清張
 前田利家 池波正太郎
 千 利休 唐木順三
 お市の方と淀君 永井路子/杉本苑子

|∀・) 著名人が多いじゃないですか

海音寺潮五郎さん、司馬遼太郎さん、山岡荘八さん、新田次郎さん、松本清張さんなど顔ぶれが豪華です。

さて、室町時代から安土桃山時代について、各武将に関する歴史小説などが沢山出ているため、当時の様相がいかにも明らかになっているような印象がありますが、正確な文献や史料というものは実は少ないんですね。

個人の日記や覚書、手紙や書状などの断片を組み合わせて、当時の行動はこうだったのではないかなど推測している状況というか。史料の数も少なければ、書き手による記憶違いや読み手による解釈の違い、時の政権による改竄など信憑性も疑わしい。あとから発見された史料によって通説が覆るなんていうことも珍しくはありません。

これが正しいという公式な史料というものが無いため、どの史料を採択するかによって見解ががらりと変わるわけですね。人それぞれの解釈があり、それぞれの戦国時代があるというか。識者や歴史小説家にとってみてもそれは同じで、事象や人物像に対して見解の相違というものがかなりあります。

|゚Д゚)) で、そんな人たちが対談するわけですよ

意気投合した場合は和やかに進むのですが、見解の相違があった場合はお互いに譲らない。これが読んでいると結構面白いです。川中島の合戦で謙信と信玄のどちらが勝利したと言えるのかなど。

また、対談以外のものに関しても、当時に忠節という概念がいかに薄かったのか(信玄、謙信、信長逝去後の家臣団の分裂)、嫁に差し出す姫は人質というよりも外交官としての役目を担っていて優秀な姫は外部にそうでない姫は家臣に嫁いだ、茶器に対する異常なまでの執着心がうかがえるエピソード(あの武将があの茶器に口をつけている姿を想像しただけで許せん)、信長と秀吉の手形など、

∑(゚∀゚ノ)ノ

と驚いてしまうものが沢山ありました。昭和50年代の書籍なので、書籍内で述べられている説が覆されていたりする可能性もありますが、歴史小説や戦国時代に興味のある人であればかなり楽しめると感じました。

評価は☆4。

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