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2011年1月30日 (日)

アメリカ海兵隊が語る沖縄戦「沖縄シュガーローフの戦い」を読了

光人社NF文庫の「沖縄シュガーローフの戦い-米海兵隊 地獄の7日間-」を購入しました。

シュガーローフヒル(日本名は52高地)の戦闘に参加した米海兵隊員約100人に対するインタビューと史料を基に、どのような戦闘が行われたのかを綴ったノンフィクションになります。

|゚Д゚)) 米軍兵士から見た沖縄戦の一部というわけですね

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沖縄戦といえば、艦砲射撃と米軍の物量に押され、手も足も出ずにひたすら撤退というイメージを持っていたのですが、同書を読むと全く異なっていて驚きました。

|゚Д゚)) …

シュガーローフヒルの戦闘に参加した米海兵隊員の口から出るのは、日本軍の陣立てと戦略の巧緻さ、日本軍兵士の身体能力(射撃術、砲撃術、対戦車術)と士気の高さ。艦砲射撃にも揺るがない陣、姿を見せずに致命傷を与える狙撃、精度の高い砲撃など、日本人が語れば自画自賛に聴こえる内容も、敵兵士が語ると信憑性が増します。

|゚Д゚)) …

シュガーローフヒルで戦闘が行われたのは1945年5月12日~18日の1週間。この間に米軍は11回以上押し寄せ、2000名以上の戦死傷者、1000名以上の精神疾患者を出した末に占領します。

負傷者といっても瀕死レベルのものが多く、遺体に至っては回収する余裕もなく打ち捨てた状態。攻撃を仕掛けた部隊は壊滅し、運が良ければ瀕死の状態で数人が戻れるかどうかといった状況の繰り返し。海兵隊員の語る戦闘の壮絶さに圧倒されます。

|゚Д゚)) シュガーローフヒルって要塞なのか?

と思ってみると、高さ15mしかない小さな丘でさらに驚き。当時の写真と現在の写真を見てさらに驚き。

この丘でどんな戦闘が繰り広げられたのか、各兵士が語る戦場の描写(臨場感)が凄まじい上に、米軍と日本軍の戦略などが非常に理解しやすく書かれています。「沖縄シュガーローフの戦い-米海兵隊 地獄の7日間-」は、構成、執筆者、翻訳者のセンスが光っています。

評価は☆5。戦闘に参加した兵士(帰還兵)の精神崩壊、戦場で発見された日本軍兵士の日記(米軍が回収したものを翻訳したもの)など考えさせられるものが多い点もプラス。

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