SF短編集「マイノリティ・リポート」を読了
フィリップ・K・ディックさんの短編集「マイノリティ・リポート」を読みました。ディックさんは「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」でも知られている著名なSF作家ですね。
|∀・) これは期待感が高まりますな
短編集の「マイノリティ・リポート」に収録されているのは次の7編。
マイノリティ・リポート(映画化)
ジェイムズ・P・クロウ
世界をわが手に
水蜘蛛計画
安定社会
火星潜入
追憶売ります(トータル・リコールとして映画化)
映画化されていると言っても、小説と映画版ではかなり内容が異なるので、映画を見たという人でも楽しめると思います。以下、心に残ったものの評価。
【マイノリティ・リポート】★★★
3人の予知能力者が、未来に起こるであろう犯罪を予知。事前に犯罪者を拘束することで、犯罪を未然に防ぐという社会のお話。
そもそも、起きるはずの犯罪を防ぐと予定された運命が変わり未来が変わるんじゃ…とか、起きるはずの犯罪が予知によって未然に防がれるという一連の結末までが本来の運命なのかとか、ニワトリが先か卵が先かみたいな感じ。
【ジェイムズ・P・クロウ】★★★
ロボットが世界を支配し、人間の地位が失墜(ほぼ奴隷化)した未来世界の話。頭脳で勝てない分は、ずる賢さでカバーという人間のたくましさというかあくどさにニヤリ。
【水蜘蛛計画】★★★★
未来人が、予知能力者を求めて現代(1954年の世界)にやってくる話。予知能力者が多数存在した時代とか言われてもピンとこないのですが、ある時点でなるほどそういうことかと納得すること間違いなし。星新一さんのショートショートに近いです。
短編集に収録されているのは、1950年~60年代に発表された作品。50年近く前に書かれた話ということを考えると、この作家スゲーとなりますが、書かれた年代を考慮しないと、面白いけど佳作だよねで終わってしまうかな。全体としての評価は★3。
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