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2010年7月27日 (火)

戦場の惨劇に愕然、「ブラックホーク・ダウン」の書籍版を読了

「ブラックホーク・ダウン」の書籍版を読みました。「ブラックホーク・ダウン」という映画があったので映画のシナリオ本かと思ったのですが、ノンフィクションとのこと。amazonでの評価もよかったので購入しました。

|゚Д゚)) 上下巻でなかなかの分量です

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ソマリアの首都で起きた市街地戦のお話です。

【舞台】
ソマリアの首都モガディシュ

【任務内容】
国連と対立する武装勢力アイディド派の幹部を拉致すること。
幹部が潜むビルを割り出し、米軍特殊部隊を空挺降下させ急襲。幹部の身柄を拘束し、後に来る地上部隊の車両に乗り込み基地に帰還。

【航空部隊】
AH-6リトルバード(攻撃ヘリ)×4機
MH-6リトルバード(輸送ヘリ)×4機
MH-60ブラックホーク×8機
OH-カイオワ(観測ヘリ)×3機
P3-ライオン哨戒機×1機

【参加部隊】
レインジャー
デルタ
空軍特殊部隊
ヘリコプター搭乗員
車両部隊

敵の幹部が潜むビルに空から乗り込んで拘束。敵が反撃の態勢を整える前に装甲車両に乗って基地に還りましょうという作戦が発端で起きた市街地戦の話。1993年10月の出来事です。17年前ですね。

当初の予定では1時間ほどで終了する任務

|ω・`) のはずだったのですが、

実際に作戦を実行したところ、RPGによりブラックホーク(ヘリ)が撃墜されるという予想外の事態が発生。車両部隊は拉致した幹部を乗せたまま、撃墜されたブラックホークの処理(乗員の救助、機体の爆破などの機密処理)に向かうことになります。

墜落地点は大体予想ができるのですが、モガディシュではところどころ道路が封鎖されていて、

|ω・`) ブラックホークに辿りつくための道わからんです…

という状況に。司令部は観測用ヘリの映像を見ながら「○○先の角を曲がれ」など車両部隊に指示を出すのですが、タイムラグや現在位置の誤認などがあり、車両部隊は一向に現場に到着できず。そうこうしている間にアイディド派などの民兵が集まり、民家や路地から銃撃を開始。

(゚Д゚ ≡ ゚д゚) どれが民兵で、どれが市民だかわからん…
(゚Д゚ ≡ ゚д゚) 装甲車両の装甲を銃弾が貫いて来た
(゚Д゚ ≡ ゚д゚) このままだと死んじゃう、死んじゃうよ
(`皿´) 動く奴は全員民兵とみなし攻撃じゃ!

ということで、無差別攻撃ありの市街地戦に突入。関係のない市民も米軍にバンバン撃たれます。性別や年齢に関係なく撃たれます。当初は戦闘と無関係だった市民も、家族を殺された怒りなどから米軍を攻撃。米軍、民兵、一般市民が入り乱れ、戦闘はさらに激しさを増します。

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市街地戦の様子は観測用ヘリが映像で記録しているのですが、書籍版では、このヘリが撮影した映像と戦闘に参加した兵士の証言をもとに戦闘の様子を再現。映画と異なり、一人ひとりの兵士の状況を描いています。個人個人の状況が、

((((( ;゚Д゚))))) ドン引きしちゃうほど凄惨

頭が破裂したり指が飛んだりといったお馴染みのものから、ふくらはぎから入った弾が筋組織とともにすね側に飛びだしたり、不発のRPG弾が身体に突き刺さったりと、読んでいて、

ギャアァァァ━━━━(゚Д゚ll)━━━━━!!!!!!

と叫びそうになります。即死よりも負傷の方が多いのですが、傷口に指を突っ込んで動脈を探し当てたりなど、治療ですらも目をそむけたくなる描写のオンパレード。その場にいた兵士の証言をもとにしているので、臨場感が凄いんですね。

|ω・`) で、

15時間にわたる戦闘で、米軍の死亡者18名、負傷者数十名。地元住民(民兵含む)の死亡者500名、負傷者1000名以上という大惨事に発展。

|゚Д゚)) 死をまき散らしたという言葉がぴったりですな

怒り狂った市民が、戦闘終了後にブラックホークの乗員の死体を引きずりまわしますが(上巻には実際の写真あり)、それも仕方なしと思えるほどの惨状。

書籍版では、ソマリアの政治情勢、米軍による政治介入の失敗、作戦上の失敗、訓練でエリートだった部隊が実戦投入でどうだったかなど、米軍が伏せておきたいと思われる要素も描かれています(映画版とは印象が異なりますね)。

評価は☆5。構成がよくて政治情勢、部隊構成、作戦などわかりやすいですし、戦闘に関しても映画版よりも書籍版の方が臨場感や凄惨さが上。書籍版は、ソマリア住民から見た戦争も描かれているので、映画版を見た人にもお薦め。

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