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2010年7月 5日 (月)

カフカ「変身」、虫の正体は…

カフカの「変身」を購入しました。朝起きると自分の身体が虫の身体になっていた男(グレゴール・ザムザ)の話ですね(以下、ネタバレ多数)。

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どういった虫に変わったのかについては、作中ではハッキリと語られないのですが、表皮の柔らかさ、脚の短さ、動作などを考えるとイモムシが最も近いんじゃないでしょうか。なんにせよ人間サイズの虫の話なので、虫が嫌いな人は卒倒するかもしれません。

|ω・`) これがゴキブリだったら発狂もんですな

さて、自分の身体が虫の身体に変化していた場合、

(´゚'ω゚`) え? 何これ? 医者行きゃ治るの?

といったように原因や治療法を探ろうとすると思うのですが、グレゴールも同居している家族(両親&妹)も特にそのような考えは持たず、世間にばれない様にすることのみを考えます。

|ω・`) これはあれだな…

世間的に良くないイメージの付いている病気(精神病、ハンセン病など)に罹った家族を座敷牢や土蔵に閉じ込めるのと似た感覚ですね。端から治らないものと諦め、治すことよりも世間体を優先。さらにその姿や感染を恐れて近寄らなくなるという点も共通しています。

働いて家にお金を入れていたグレゴールが、一夜にして人目にさらしたくない&タダ飯喰らいの存在になってしまったわけですが、そうなった後の家族の態度の変わりようが読んでいてツライです。人間サイズの虫になってしまったグレゴールを抱える家族の苦悩もわかりますし、態度が変わることも仕方のないことと思えるのですが、

|ω・`) ああ、心に刺さる刺さる

「変身」の中で語られる虫は、世間には知られたくない存在、経済的な負担となる存在の象徴ですね。失業中、婚期を逃すなどの理由で家族に養ってもらっている人、または要介護者や登校拒否児などを抱える家庭などは、読むと凹むこと間違いなしの1冊。ラストに至っては、

|゚Д゚)) ………

家族の負担になっていることに耐えられなくなり、幸せだった頃の家庭の姿を思い浮かべながら餓死の道を選ぶグレゴール。グレゴールがいなくなったことで明るさを取り戻す家族。

|゚Д゚)) いや、それはそうなんだろうけどさ

読んでいてひたすら暗い気持ちになる作品といいますか、感動や救いといったものが全くなくどこら辺に需要があるのか…という作品でした。文学は悲劇的で暗いものなんだという時代だったのかな。評価は☆2。

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