ナショナル ジオグラフィックのノンフィクション傑作選「冬のライオン」、色々と予想外というか
ナショナル ジオグラフィックのノンフィクション傑作選「冬のライオン」を読みました。
発行元のナショナル ジオグラフィック協会は、米国に本拠地を置く科学・教育団体。遺跡や未開地、紛争地域のレポート、環境や野生生物に関する学術研究など興味深い事象について発表しています。
|∀・) 冒険野郎というか知的好奇心満載の機関なんです
そんな機関がまとめたノンフィクション傑作選というのですから、かなり期待した状態で読書を開始。
|∀・) 最初はタリバンと対抗するゲリラのお話ですか
|∀・) ………
|ω・`) 思想に偏りを感じますな
ノンフィクションなんですが、ものの見方が中立的でないというか、一方の価値観でしか捉えていないのが気になりますね。シーシェパードの話とかもそうですが、
|゚Д゚)) 釈然としないものがあるんです
「冬のライオン」には10編が収録されているのですが、もう少し掘り下げた方がいいなとか、どことなく物足りなさを感じてしまうものがありました。海外版はもっとボリュームがあり日本語版はかなり省略されているようなので、日本語版だけの問題なのかもしれません。
|゚Д゚)) 傑作と感じたのは下記の3点
【エボラ・ウイルスと闘う人びと】
アフリカ東部のウガンダで発生したエボラ出血熱に対峙する医師たちに密着したドキュメント。
満足な医療機器もなく、原因不明の伝染病に立ち向かう医師や看護師。汗などの体液に触れただけで感染するエボラ出血熱。医師や看護師も感染し次々と犠牲に。感染の恐怖におびえながら拡大防止や治療、原因の究明に取り組む様子が凄まじい。
【死の迷路からの帰還】
原生林で迷った人間のレポートや事故を例に、人がパニックに陥るメカニズム、生存と死を分けた要因などを考察。飢えではなく発狂による死亡が多いなど、驚きの情報が盛りだくさん。読んでいて何度も唸りました。
【受難のマウンテンゴリラと対面するまで】
紛争真っただ中のコンゴで、マウンテンゴリラの保護活動を行うボランティアとそれを取材する女性ジャーナリストの話。女性ジャーナリストと行動を共にするのは、民間人の大量虐殺や人肉食(およびそのための異民族狩り)を平気で行う反政府勢力。紛争の恐ろしさを伝える描写と、常に生命の危機にさらされている緊迫感が凄いです。
常軌を逸した紛争地帯で絶滅の危機にさらされるマウンテンゴリラが見せる純真さ。争いや生命について色々と考えさせられます。
この3編は傑作の名に恥じない内容でした。この3編は☆5。
「冬のライオン」全般でいえば図版が圧倒的に少ないですね。傑作選よりも、通常のナショナル ジオグラフィックの方がビジュアル重視で面白いかも。
ナショナル ジオグラフィックの公式サイトでは、バックナンバーのさわり部分を読めたり、壁紙を入手できたりするので、興味のある人は訪れてみるといいかも。個人的に好きなのは、「潜入! 巨大結晶の洞窟」。
「潜入! 巨大結晶の洞窟」http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/0811/feature02/index.shtml
|゚Д゚)) 世界って美しくて不思議ですな
ちなみに壁紙もバックナンバーごとに用意されています。非常に格好いいものばかりなので、壁紙も要チェックですね。
|ω・`) 年間で定期購読しようかしらん
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