楳図かずおさんの「漂流教室」、どれぐらい未来に飛んだのかは小説版で
「漂流教室」のことを思い出したら無性に読みたくなったので、サンデーコミックス版(全11巻)と完全版(全3巻)を引っ張り出して読んでみました。
サンデーコミックス版は、のちの版では修正されてしまった「気違いめ!」などの表現がそのまま残っています。雑誌に連載されていたものにほぼ忠実ですね(雑誌に載っていたページの一部が単行本収録時にあたって省かれています。よってほぼ忠実)。
完全版は、前述の単行本未収録となっていたページを追加収録。また、雑誌に掲載しなかったページも追加しています。ただし、差別用語は修正。11冊分を3冊にまとめた上に追加要素満載なので、1冊1冊がかなり分厚いです。持って読むには筋力が必要。
このほかに文庫版があるのですが、文庫版は表現規制が入っているほか、追加要素も無し。サイズ的に小さいので持ち歩きに便利ですし入手もしやすいのですが、なかなか残念な仕様。
|ω・`) なんというか一長一短ですな
個人的には、サンデーコミックス版がおススメ。1冊の分量がちょうどいい長さなので、集中して読むことができます。あとはテンポもいいですね。11巻の最後に珠玉の短編「ねがい」が収録されている点もプラス。
完全版は、1ページを丸々使って題字が挿入される&追加収録の影響からか、読んでいて流れが止まる箇所があります。読んで物語を楽しむというよりも、資料として持っておくといった感じでしょうか。
|゚Д゚)) さて、
「漂流教室」を読んでいて気になるのが、
|ω・`) 大和小学校は、どれくらい未来に飛ばされたのかしらん?
|ω・`) 1巻からラストまでは、何日間の出来事なのかしらん?
という点。ネットで検索すると、「漂流教室」には小説版があり、そこで明らかにされているそうです。そして小説版では、物語の最後に降りてきたロケットがなぜあのタイミングで降りてきたのかなど、漫画では語られなかった謎の部分を説明しているとか。
( ゚Д゚) 小説版読みてぇ~
が、
(´・ω・`) 当然のごとく絶版ですな
入手は激しく困難。それにしても、漫画版は1972年~74年に描かれたのに、今読んでもかなり面白いですね。大人になってから読むと、登場人物の行動の一つ一つが物凄く胸を打ちます。
|゚Д゚)) 良かれ悪かれ生きることに必死なんです
価値観や倫理観の衝突といいますか、人間性と本音むき出しでぶつかり合うんですね。んで、抗いがたい力に翻弄されてバタバタと倒れていく。読んでいると、
|д´) 心が、心が熱くなるんじゃ
生きるということの熱さを感じさせてくれる作品。昔の漫画は、作家と編集者の熱気というか本気度というか、神がかったものが多いですね。
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