吉村昭さんの「昭和歳時記」を購入
リブロに行って吉村昭さんの随筆「昭和歳時記」を購入しました。初版が1996年10月10日、第2刷が2010年3月5日なので14年ぶりの重版ですね。
「昭和歳時記」は、昭和初期~30年代の庶民の生活を描いています。吉村昭さんの実体験をもとにしているので、「東京の戦争」など他の書籍で語られたエピソードも入ってきます。
|゚Д゚)) 重複している部分が若干ありますな
語られる昭和の風景に関しては、蚊帳、大八車、DDT、南京虫、下駄スケート、行水など現在では教科書や図鑑、博物館などでしか見ることができないようなものが数多く出てきます。『三丁目の夕日』で描かれる昭和よりも前の昭和ですね。昭和50年生まれの自分の場合はおぼろげにわかりますが、平成生まれの人が読むと想像すらできないかもしれません。
|ω・`) 平成生まれには図鑑推奨
さて、昭和というと、「あの頃はよかった」といったように美化されがちなのですが、吉村昭さんは美化したり感傷にふけったり、悲観することなく、冷静な目で当時の様子を綴っています。脚色がないため盛り上がりには欠けるのですが、逆にその時代がまぎれもなく存在したということを実感させてくれます。
( ゚Д゚) ウヒョー
生活の変貌など、まさに昭和は激動の時代だったんだなと感じますね。日本独自の文化が色濃く残されていた頃といいますか、読んでいると遺伝子に組み込まれた何かが刺激される感じ。4月29日は昭和の日ですが、昭和の生活を振り返ってみるのもいいんじゃないでしょうか。現代社会について色々と考えさせられると思います。
評価は☆3。確かに万人に売れる本ではないですが(文藝春秋が重版を渋ったのも頷ける)、世の中には残しておきたい本です(買い取り条件を飲んでまで重版を要請したリブロ、有隣堂の判断も頷けます)。
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