野生生物と対峙する美しさ/吉村昭「海馬(トド)」
吉村昭さんの短編集「海馬(トド)」を読みました。収録内容は、
闇にひらめく
研がれた角
蛍の舞い
鴨
銃を置く
凍った眼
海馬
天然ウナギ漁、闘牛、蛍の人工飼育、鴨猟、羆撃ち、養鯉、トド撃ちの話です。羆撃ち以外はフィクションということですが、いずれもその道の人に話を聞いたうえで執筆しているので、登場する生物の生態や猟のやり方などは事実に基づいたものとなっています。
自然や生物を中心にしつつそれに関わる人間の姿も描かれるわけですが、吉村昭さんらしい静かな文体と相まって、
(´ー`) とても心が落ち着くんです
で、本編とそれほど関係はないんですが、読了して、「そういや自分は、大型の野生生物に遭遇したことがないわな」とふと気がつきました。
|ω・`) 日光のサルがいいとこだなや
山や海など自然の真っただ中で羆などの巨大野生生物と遭遇した場合、恐怖感だけじゃなくてきっとものすごい美しさを感じるんじゃないかななんて考えが頭をよぎりました。羆相手にそんな感想を抱くとか平和ボケもいいところですがね。
|゚Д゚)) 今ならシートン動物記が楽しく読めるかもしれん…
自然や野生生物というか生命の輝きというものに触れてみたくなる短編集でした(全然まとまってないじゃないですか…)。
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