アーサー・C・クラークさんの「海底牧場」、感情論を抜きにすれば牧鯨という選択肢は
アーサー・C・クラークさんのSF小説「海底牧場」を購入。最近は、
(*゚∀゚)=3 何をするよりもSF小説を読むのが楽しいんです
未来のことを描いたSF小説は、年が経つにつれて話が古くなる(意味をなさなくなる)ものと思われがちですが、当時の科学者が未来社会をどう見据えていたのか? ということが知ることができてなかなか興味深いんですね。また、科学的根拠+想像力(創造力)の組み合わせで描かれた作品は、非常に知的好奇心を満たしてくれるわけです。
で、アーサー・C・クラークさんといえば、「2001年宇宙の旅」、「幼年期の終わり」、「宇宙のランデブー」などに代表されるように宇宙を舞台にしたお話が多いんですが、この「海底牧場」は、珍しく地球の話。
海中にある膨大なプランクトンを活用して牧鯨を行い、それを食料に充てるという未来社会を描いています。鯨を食料にするということで、某団体あたりから、
(#゚Д゚) ファッキン!
とか言われそうな設定。感情論を抜きにすれば、穀物を餌とする牛や豚に比べて、プランクトンを餌とする鯨を飼育したほうが効率がいいということなんでしょう。また、「海底牧場」では、牧鯨に反対するのが仏教団体であったりするのがなかなか興味深いです。
「海底牧場」では、未来の食糧事情、宗教の勢力図といった未来予測の他に、海底という未知の世界に対する人間の冒険譚的なことが描かれているわけですが、壮大な話だけでなく、その時代に生きる一人の男の挫折と復活といったドラマもあります。
|゚Д゚)) 火星開拓の話もちらりと出てきます
バラエティに富んでいて、読んでいて退屈しないですね。ダイビングの経験がある人であれば、より一層作品に没頭できるんじゃないでしょうか。
評価は☆5。人間にとって未知の領域という点で、深海も宇宙も共通する部分が多いですね。読んでいてワクワクします。なお、作中でも語られますが、人類が宇宙開発だけに目を向ける時代が過ぎて、海の開拓に目を向ける時代が来ることに期待したいです。特に日本は、宇宙開発よりも海の存在に目を向けた方がいいんじゃないですかねぇ。
話変わって、「2010年宇宙の旅」を探しまくるもどの書店にもない…。宇宙の旅シリーズを読みたい自分としては、2010年に合わせる形で「2010年宇宙の旅」を大量増刷して欲しいですね。
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