スティーヴン・キング「トム・ゴードンに恋した少女」
スティーヴン・キングさんの長編「トム・ゴードンに恋した少女」を購入。
|ω・`) トム・ゴードンって誰?
という感じですが、実在する野球選手(レッドソックス所属)だそうです。で、「トム・ゴードンに恋した少女」は、その野球選手のファンである9歳の少女<トリシア・マクファーランド>を主役にしたお話です。
|゚Д゚)) では読み始めましょうか
話としては、トリシアがピクニック中に家族とはぐれて森に迷い込んでしまうというもの。森の中で超常的な何かと遭遇するというようなファンタジーものではなく、都会の子供が森に迷い込んだ場合生きて帰ることができるかというサバイバルものです。
トリシアは、ほんの些細なきっかけから森に迷い込むわけですが、虫の襲来や滑落などが重なり、元の道に引き返すことが困難な状況に…。
|ω・`) ちょっと進めば元の道に合流できるかしらん?
という甘い考えが状況を悪化させ、さらなる森の奥地へと迷い込むことになります。実際に道に迷った経験のある人なら思い当たると思いますが、「たぶんこっちやろ」と選んだ方向が全然見当違いで、後悔するも時すでに遅しというパターンですね。そして迷ったトリシアに、飢え、渇き、疲労、自然の厳しさなどが情け容赦なく襲いかかります。
:(;゙゚'ω゚'): これが自然界の非情さか
思わず目をそむけたくなるような冷たさと言いますか、ご都合主義的な助けなどは全く存在しないんですね。ただ、スティーヴン・キングさんがSというのではなく、リアルさを求めた結果こうなったというところでしょうか。甘さが全くないんで、
((((( ;゚Д゚))))) 生きて帰れるの? ねぇ、帰れるの?
と読んでいて全く安心できないわけです。そして、肉体的に限界を迎えたトリシアの心の支えとなったのは、トム・ゴードン。
|ω・`) 神ではないんですね
アメリカの小説だと神に祈ってというのがメジャーな気がしますが、そうではなくて自分が憧れる人物の姿を思い浮かべる、空想の話し相手とする、所作をまねすることで心の支えとするわけですね。見たことのない神なんかよりも実在する何かに縋りつく。
|゚Д゚)) やべぇ、リアル過ぎる
そして、都合良く助けてくれる神はいないんですが、得体の知れない悪しき存在の影(自らの恐怖心が生み出したものか、はたまた実在するものか)がちらほらしだして、
((((( ;゚Д゚))))) もうやめて~
と思いつつも読む手が止まらず読了。表紙のイラストとは裏腹に結構ハードなお話です。現実世界は甘いものではなく、油断するとすぐに噛みつく厳しさを持っているということが感じられる作品。
評価は☆5。訳がよくて読みやすい点もいいですね。
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