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2009年9月28日 (月)

リコール隠しを描いた小説「空飛ぶタイヤ」を購入

池井戸潤さんの小説「空飛ぶタイヤ」の文庫版を購入しました。同小説は、運送会社のトラックのタイヤが脱落し主婦を直撃したという実在の事故&大企業によるリコール隠しという実在の事件をモチーフに、大企業(ホープ自動車)の組織的腐敗を描いています。

まぁ、ホープ自動車という架空の自動車会社にしていますが、財閥系であることや、系列の重工業、銀行、そしてリコール隠しの構図など、どうみても、

|ω・`) 三菱ふそうトラック・バス(三菱自)だなや

というところ。ただ、実際にあった事件・事故を多分に盛り込んでいるためノンフィクションかと思いきや、細部は完全なるフィクション。著書の創作による部分も多く、そこは注意して読む必要があります。

|゚Д゚)) では、読みましょうか

全体的には企業小説なんですが、運送会社の経営危機、ホープ自動車社員による内部告発、スクープを狙う週刊誌など、緊迫感を持たせるためのドラマが盛り込まれているので、

( ゚Д゚) 先が気になって読む手が止まらん

というところ。上下巻を1日で読み終えてしまいました。会社勤めをした経験のある人間であれば、かなり興味深く読める小説だと思います。組織自体が腐っていた場合、それを下っ端の人間(人事権のない人間)が変えることはできるのか? 都合の悪いことは隠ぺいすべきか、倒産の危険にさらされてまでも明らかにすべきか? 組織に飲まれるか反発するか、生活か倫理かという選択。大人の理論というか、汚さというものも良く描かれていますね。

読んでいて非常に面白い。ですが、絶賛するには何かが自分の中で引っ掛かる。なんでしょうかね…、実在の事件・事故を扱っていながら、完全なフィクションというところが気になるというか、どうせだったらノンフィクションで勝負して欲しかったなというところ。

ホープ自動車(どうみても三菱ふそうトラック・バス)を徹底的な悪として描いておきながら、三菱関係者から何か言われたら「フィクションですから」といえる逃げ道を作ったところがフェアじゃないなぁと感じました。

評価は☆4。完全なフィクションと割り切って(割り切れない部分が多いですが…)読むとこの評価。

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