小説「官僚たちの夏」がドラマ版とは完全に別物
城山三郎さんの小説「官僚たちの夏」を購入しました。「官僚たちの夏」は、TBS系でドラマ化されているんですが、そのドラマが
(゚∀゚)ノ 結構面白いんです
で、小説を読んだのですが、小説とドラマでは人物設定こそ同じであるものの内容はほとんど別物となっています。
ドラマ版では戦後の日本経済復興のポイントとなった出来事(国産自動車、国産電算機の開発など)を「プロジェクトX」調に描いているのに対し、小説版では人事弄りに没頭する一官僚の話で終わり。組織内における軋轢や派閥争いなど、
|゚Д゚))) 企業人向けの内容ですな
組織における個人に焦点を当てる城山三郎さんらしい内容ですが、「プロジェクトX」のような社会全体の動きに焦点を当てたものを期待していた自分は、ちょっとガッカリ。
|ω・`) むぅ…
そして、話の軸となる風越信吾を、敵味方の区別なく噛みつき、有能と見こんだ人物を重用しすぎて結局潰してしまう人物として描いている点、挫折といった感じで終わらせるところが城山三郎さんらしいですね。最初に持ち上げて後半で強烈に叩き落とす。人の上に立つ人間はどうあるべきかということを考えさせる作品です。
読後感が爽やかではないので、人を選ぶ作品だと思います。「毎日が日曜日」のような読後感といいましょうか、ちょっと暗い気分になるかも。
評価は☆2。
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