吉村昭さんの「蛍」を購入
吉村昭さんの小説「蛍」を購入しました。収録内容は、
休暇
眼
霧の坂
蛍
時間
光る雨
橋
老人と柵
小さな欠伸
となっています。このうち、霧の坂、蛍、時間、光る雨が実体験を基にした回顧録となります。霧の坂については、他の書籍でも収録されていたので読んだことがあったんですが、蛍、時間、光る雨は初めて読みました。
(゚д゚) この初読の3編が秀逸なんです
詳細については伏せますが、時間は吉村昭さんの死生観というものがうかがえて興味深いですね。個人的には冷淡な印象を受けましたが、取材を通じて数多くの死に接してきた吉村昭さんならではといったところでしょうか。自然の摂理として死を捉えています。光る雨に関しては、結構とんでもない話で、
|゚Д゚))) なんて迷惑なのかしら
となるんですが、淡々と語られるのでそれほど気分を害しません。
なお、創作と思われる休暇については、2008年に映画化され現在ではDVDが販売されています。死刑囚の死刑執行の補助に志願した刑務官の話ですが、原作が妻を迎える男の心情(そして生と死の対比)を描いた味のあるものだったので、映画も若干気になります(原作の内容のままだとどう考えても尺が足りないので、テーマが改変されていそうな気配が濃厚ですが…)。
「蛍」は、死をテーマにした作品の集まりとなりますが、悲しさや辛さといった単純なものではなく、死を通してその対極である生について考えさせられるような心にしみわたる内容です。評価は☆5。
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コメント
突然のコメント失礼致します。
失礼ながら、相互リンクしていただきたくて、コメントさせていただきました。
http://sirube-note.com/correctional-officer/
もしよろしければ、こちらのページから相互リンク登録していただけましたら幸いです。
http://sirube-note.com/correctional-officer/link/register/
今後ともよろしくお願い致します。
3Zxv2vaq
投稿: sirube | 2009年6月 8日 (月) 01時37分