吉村昭さんの「回り灯籠」を購入しました
吉村昭さんの「回り灯籠」を購入しました。小説ではなくエッセイ集ですね。発行が2006年12月であり、吉村昭さんが亡くなった(06年7月)後に刊行されています。
(´ー`) いまだに敬愛してやまない作家です
「回り灯籠」では、「戦艦武蔵」や「総員起シ」などノンフィクション作品の取材時のエピソードのほか、少年期の思い出などが収録されています。これらについては、他のエッセイ集でも語られている内容のものが多いほか、1エピソードあたり5ページ程度で内容が非常にあっさりしています。
|ω・`) 新鮮さは感じないですな…
と思って読み進めたんですが、一番最後に収録されている吉村昭さんと城山三郎さんの対談が、
ヾ(o゚ω゚o)ノ゙ とてつもなく面白い
同世代の2人がそれぞれの流儀(私生活や趣向、価値観など)について話すんですが、ほのぼのとした雰囲気で読んでいて気持ちが落ち着くんですね。周りからすると偏屈というか頑なに感じる面がありつつも、ちゃんとした根拠があるためか人間的な嫌味を感じない。こういった歳の取り方をしたいなと感じました。
(´ー`)
また、対談の、「ボカァ幸せだなぁ」のくだりがいいですね。吉村昭さんの晩年の心境が書かれていますが、こうやって日々に幸せを感じられる(または自ら進んで感じる)ようになれたらどんなにいいことかと思います。城山三郎さんのニュースを見ない理由や、他の作家に対する感想なんかも面白いです。
評価は☆3.5。エッセイが過去に発表されたのものと重複する部分が結構あるのでこの評価。ハードカバーでなくて文庫だったら間違いなくお勧めできるかな。
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