ハードカバー版「カムイ伝」を購入しました
先日のブログで「カムイ伝」のことを思い出したので、ブックオフで捜索。ハードカバー版の全15巻中14冊(12巻が抜けてる…)が売っていたので
ヾ(o゚ω゚o)ノ゙ 全部寄こすズラ
とまとめ買い。定価は1冊1200円なのですが、ブックオフだと1冊105円。アホみたいな値段の付け方です。嬉しい反面、とっても複雑な気分でお会計。
|ω・`) すばらしい作品なのに105円って…
「カムイ伝」は、徳川の封建社会を描いた漫画です。学校で習ったと思いますが、士農工商えた・非人というものですね。
この時代は、武士が、百姓の作った米を年貢として5割~6割持っていく。普通に考えると、武士にそんな権限はないわけですが、武士は自分たちのためにそういった社会を打ち立て、その利権を維持するのに躍起となるわけです(今の政治そっくり)。
百姓が知恵をつけないように、百姓の読み書きを禁止にしたほか、連座制にして年貢未納者には連帯して責任を負わせる一方で、百姓同士が連帯しないように密告などを推奨。また、百姓の不満のはけ口として、それよりも下の地位を設ける。
人為的に差別を作り出すことによって保たれた社会。過去の体制にしがみつくことに必死で、社会の発展性や各個人の思想・行動の自由などポジティブな要素が何もない。陰湿、陰鬱、閉塞といった言葉がぴったりなんですね。
(´゚'ω゚`) 嫌すぎる
「カムイ伝」では、こういった封建制度の犠牲となりながらも、それに押しつぶされまいと抗う百姓や非人などの人々の姿を描いています。小学館の紹介では「炸裂する喜び、悲しみ、怒り、そして叫び。ナマの歴史がここにある!!」となっていますが、身分制度の犠牲となった人間の慟哭が詰まっているといったところでしょうか。
壮大なストーリー展開と構成の妙。歴史について知識が深まるのはもちろんですが、社会の在り方についても考えさせられます。漫画ではありますが、小説以上に深い。自分が初めて読んだのは小学生のころでしたが、大人になってから読むとさらに深い。
( ゚Д゚ノノ☆パチパチパチパチ
どうでもいいような内容の小説や漫画が世の中にはあふれていますが、「カムイ伝」は一生のうち一度は読んでおいたほうがいいとお薦めしたくなる作品ですね。
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