吉村昭さんの『漂流』を再読しました
吉村昭さんの小説『漂流』を読みました。『漂流』を初めて読んだのは、中学生の頃でしたが、その後も思い出した時に引っ張り出して読んでいる愛読書です。
Σb( `・ω・´) 傑作なんです
『漂流』は、江戸時代にあった実話をもとにしたドキュメンタリー小説です。時化に遭い無人島である鳥島(とりしま)に漂着した男性(長平)の12年間に及ぶ壮絶な生を描いています。
江戸時代には船の遭難事故が多かったのですが、その背景には幕府の鎖国政策が関係していること(外洋を航海できる構造の船の建造を禁止。結果、耐久性もなく、時化にあい沖に流されると舵が破壊され遭難)など、当時の時代背景を知ることもできます。いまでは絶滅の危機にさらされている、アホウドリも何万羽という単位で出てきます。
小説の内容については割愛しますが、単なるサバイバルもの、不屈の精神ものではなく、生きるということに関するもの全て、絶望、希望、その他もろもろの要素がぎっしりと詰まっています。何度読んでも非常に興味深いわけです。同小説をもとにした映画『漂流』もぜひDVDで復刻してほしいですね。
なお、鳥島はいくつかありますが、この小説の舞台となる鳥島は
鳥島(八丈支社)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B3%A5%E5%B3%B6_(%E5%85%AB%E4%B8%88%E6%94%AF%E5%BA%81)
です。現在でも無人島。一度足を運んでみたいのですが、一般人の上陸は不可。残念です。しかし、現在はインターネット(グーグルアース)などでも確認することができるので、便利な時代となりましたね。自分が中学生の頃には、鳥島は、小説からその姿を想像するのが精いっぱいだったんで。
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