新堂冬樹さんの「摂氏零度の少女」を読了、生と死のどちらを選ぶか
本屋に行ったら新堂冬樹さんの新作「摂氏零度の少女」が売っていたので、即購入しました。
( ゚Д゚)σ それクレや
今回は金融モノではなくて、母親に劇薬のタリウムを盛った女子高生の話です。まぁ、実際にこういった事件があったわけですが、新堂冬樹さんの「摂氏零度の少女」はドキュメンタリーではなく、フィクションです。
( ´∀`) インスパイアされたとですよ
という感じですが、実在の事件そのものとは全くの別物ですね。事件の概要や犯罪描写などを中心にするのではなく、「何かで苦しんでいる者を楽にする(すなわち死を与える)ことは善か悪か」みたいなことをテーマにしています。
鳥に例えるなら、羽根を損傷した鳥を生きながらえさせていくか、それとも死を与えるか。前者は生きられますが前途多難な生活、後者はこの世とのつながりは消えてしまいますが安楽というわけです。
( ゚Д゚)σ 安楽死の議論とはちょっと毛色が異なります
まぁ、どっちが良いのかについては、「死」に対する概念の違いで変わってくるでしょう。死を全ての終わりと考える場合、死を次への再生と考える場合のどちらか。新堂冬樹さんは明言はしていませんが、読者に投げかけているわけですね。「アンタはどっちの考えだ?」 と。
結構他人事ではなく、こういった選択は誰もが迫られる可能性があるわけです。例えば、自分の子どもが生まれてくる前の段階で、障害を持っているということが判明した場合。事故により四肢を損傷した場合、ガンやエイズといった病気による闘病など。
現世で苦しみながら生き続けるのがよいのか、それとも来世とやらを考えてこの世での苦しみからいち早く抜け出すのか。答えを出すのは、非常に難しいと個人的には思います。
だって、
((((;゚Д゚))) 死んだ後どうなるのかなんて、わかんねぇよ
宗教では輪廻転生を唱えていますが、本当にそうなのか。死んでみないと答えが出ないわけです。
まぁ、個人的には、いままで様々な人の死に接してきたんで、死で全てが終わりというのではないほうがいいなぁと思ってますが…(宇宙からやってきてまた宇宙に還るという考えが好きです)。
それでも、せっかくその時代に生まれてきたんだったら、安易に死を選ぶよりも、その時代の文化や生活といったものを生まれてきたモノに存分に体験させてあげた方がいいなぁと思うわけです。人間以外の意志が働いているのなら、それに任せておけばいいでしょう。
まぁ、色々と考えさせてくれるので、オススメです。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- イギリス特殊部隊隊長が語る湾岸戦争「ブラヴォー・ツー・ゼロ」を読了、卒倒ものですな(2012.02.19)
- 戦場はかくも不潔なのか! 一兵士の心情を描いた「ペリリュー・沖縄戦記」を読了(2012.01.29)
- スティーヴン・キングさんの短編集「夜がはじまるとき」を購入、これは過去最高の(2011.10.04)
- 「ほんとにあった怖い話 夏の特別編2011」の感想といわくつき物件など(2011.09.04)
- 歴史小説の大御所が衝突する「日本史探訪」を読了、森蘭丸はガチムチなど意外な話も(2011.06.05)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント