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2007年9月 9日 (日)

貴志祐介さんの「青の炎」を読了、著者の影がチラチラするのがなんとも

会社の先輩が「青の炎」を貸してくれたので読みました。貴志祐介さんの作品は、「黒い家」、「天使の囀り」は読んだことがありますが、いずれも、

ガ━━(゚Д゚;)━━━ン!!

という衝撃を受けました。「黒い家」は心の闇を描いたサイコホラーで、主人公が階段で上か下かを選ぶシーンで恐怖の絶頂を味わいました。「天使の囀り」では、寄生虫が宿主を操るということを知り、

ホゥ━(゚∀゚)━!

と感心。かなり面白かった記憶があります。今回読んだ「青の炎」は、完全犯罪を目論む高校生のお話ですね。

【以下ネタバレ】

読んだ感想としては、主人公である秀一が超然としすぎている点。あとは、著者が秀一に自身の姿を投影しているというか、こんな高校生活に憧れていたんですよ的な面が見え隠れして、それがちょっと気になりましたね。

司馬遼太郎さんや数多くの歴史小説家にも言えることですが、著者が登場人物に自らの姿を投影する(自分がこの時代に生まれてこの状況にいたらこんなセリフをはくという想定で発言させる、または英雄気取りの言動をとらせたりする)というのは、自分的には、

( ゚ⅴ゚)y-へぇ~

と興ざめしてしまうんですね。

「青の炎」については、結論から言うと、暗い気分のまま終わる後味の悪い作品でした。読んでるときは、先の展開が気になってサクサクと読めるのですが、最後の最後で、

(゚Д゚ )アラヤダ!!

登場人物のみんなが不幸になるという作品で救いはないです。そもそも、曽根が末期ガンに冒されているということを母親が知っていたのであれば、さらに不幸度がアップみたいな…。

まぁ、人を呪わば穴2つ掘れみたいな小説なんで、他人に対して良くない心を抱いている人は読むといいかも。殺人とか犯罪とかを起こそうという気がなくなります。そういう意味では、秀一の悩みの様は一読の価値ありかも。

Ao_no_hono

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