新堂冬樹さんの「吐きたいほど愛してる」を購入、これは吐くわ…
新堂冬樹さんの小説「吐きたいほど愛してる」を購入しました。短編集で、「半蔵の黒子」、「お鈴が来る」、「まゆかの恋慕」、「英吉の部屋」の4作品が収録されています。
本のオビをみると、どことなく恋愛小説っぽいような気がしますが、
( ´∀`) 愛とかなんの話ですか?
という感じで、愛とはかけ離れた内容の話が多いですね。唯一「まゆかの恋慕」が愛をテーマにしているぐらい。あとの3作品は、いつもながらのグロと暴力チックな内容です。
【半蔵の黒子】
↑被害妄想というか、逆恨みが激しい男の話。逆恨みするぐらいならいいのですが、報復行動にでるのがイヤ~ンな感じ。猟奇殺人鬼の心理状況は、こんな感じなのかも知れない。通勤電車のなかで読みましたが、すごく不安な気持ちになりました。精神的な狂気が怖ろしい。
【お鈴が来る】
↑旦那の浮気で精神が壊れた奥さんの話。自律神経失調症について描いていて、脈略のない会話、ふとしたきっかけで爆発する感情など、それを堪え忍ぶ旦那の姿が描かれています。しかし、この作品はグロイですね。小説を読んでいて初めて吐きそうになりました…。「タンパク質が豊富だから」とゴキブリを捕獲して食いちぎる奥さん、そしてそれを片手に旦那にも喰えと迫るあたりの描写は、
(;´Д`) ゲロゲロ
食後に読んだらきっと吐いていたに違いない…。ラストはホラーですね。かなり怖い作品です。まぁいやだ。
【まゆかの恋慕】
↑この短編集の中で、唯一涙なしには読めない作品。新堂冬樹さんの作品らしくアレなんで、万人にお勧めできる内容ではないですが、最後はホロリときますね。
【英吉の部屋】
↑娘夫婦に虐待を受ける寝たきり老人(英吉)のお話。虐待なんてひどいことを…と思うのですが、英吉の過去の所業を知るにつれ、「とんでもない男やな」というように同情心がすっ飛びます。
全体的な総括としては、年齢制限が必要なグロさ。気持ち悪さが満載です。多感な子どもには読ませられない作品かな。あと精神的に参っている人が読むと危険かも。
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