吉村昭さんの「蚤と爆弾」を読了、731部隊の真実とは
遠くにお出かけできないので、近所のブックオフで本を物色。吉村昭さんのコーナーで「蚤と爆弾」を発見しました。タイトルをみてピンと来たのが、
( ´∀`) 731部隊ですか…
731部隊については森村誠一さんの「悪魔の飽食」が有名ですね。自分も小学生の時に読んで、
((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
と衝撃を受けました。吉村昭さんが731部隊をどう捉えているのかに興味があったので購入。昭和50年10月15日の初版本で定価は220円。物価の違いに時代を感じますね。
吉村さんの書籍だと、関東軍防疫給水部のリーダーが細菌兵器の開発に傾倒するに至った経緯、日本の軍部がおかれた劣勢など歴史的背景を中心に語られています。森村さんの書籍が、いかに無惨な人体実験が行われていたかという点に焦点をあてていたのとは対照的ですね。
吉村さんの「蚤と爆弾」では、戦争というものに翻弄または流されざるを得ない人間の姿というものが描かれています。戦争の中では個人の良識などはマヒしてしまい、知らない間に歯車となっているワケですね。んで、終戦と同時に自分の所業に対して愕然とするとともに罪の意識と警察の追求を恐れる。「遠い日の戦争」に通じるものがあります。
一方、森村さんの書籍を読むと、日本人は残虐な民族なんだなぁという感想しか湧かないわけですね。個人的には、吉村さんと森村さんの書籍を両方読むことをオススメしたいですね。どちらか片方を読んだだけだと理解できない部分もあるので。
まぁ、本多勝一さんの「南京大虐殺」と同じく、歴史的事実はなかったと主張する人もいて物議を醸し出す書籍なわけですが、おススメ。
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コメント
私が今日買った「細菌」は1970年発行のハードカバーで定価は420円です。
つまり森村さんは盗作じゃないですか!!!
投稿: | 2007年12月22日 (土) 19時24分